2026.06.14

東日本ではイタドリをあまり食べない?地域で違う山菜文化

西日本、とくに高知で親しまれているイタドリ。けれど東信、北信、上越、中越あたりで話を聞くと、「イタドリを食べる」という感覚はあまり一般的ではないようでした。

SNSやYouTubeで地域ごとの食文化を手軽に見られるようになった昨今。
ほかの土地で当たり前に食べられているものが急に気になり、今回は高知でよく食べられているという「イタドリ混ぜご飯」を試すべく、山で若いイタドリを収穫してきました。

収穫して並べたイタドリの若い茎
収穫したイタドリ。若くてやわらかい茎を選ぶ。
5/17採集。標高の高いエリアでは5月中旬でもこのように太い茎の食べ頃イタドリが収穫できる。

東日本では、イタドリは山菜としてあまり一般的ではない?

東信、北信、上越、中越エリアの人に少し聞いてみたところ、返ってきた反応はだいたい「イタドリは知っているけれど、食べたことはない」「そもそも食べるものだと思っていなかった」というものでした。サンプル数は少ないので断定はできませんが、少なくともこの周辺では、身近な山菜として親しまれている雰囲気はあまり強くありません。

イタドリは河原や道端、林縁などに普通に生える植物です。山菜というより「どこにでもある野草」です。東日本にはコゴミ、ウド、タラノメ、ワラビなど、ほかにも食べられる山菜が多い上、シーズンが被るのでのであえてイタドリをとって食べるということをしないのでしょうか。

一方で西日本では、イタドリを塩漬けにしたり、炒め物や煮物、混ぜご飯にしたりする地域があります。同じ植物でも、地域によって「食べもの」としての距離感がかなり違うのがおもしろいところです。

イタドリ混ぜご飯の作り方

調べるとレシピはいろいろ出てきますが、今回はかなり簡単な作り方にしました。

  1. 皮をむいたイタドリを水にさらしてアクを抜き、5mmから1cmほどの輪切りにする。
  2. フライパンにごま油を熱し、ちりめんじゃこをたっぷり入れて炒める。
  3. 水気を切ったイタドリを加えて炒める。食感を残したい場合は炒めすぎない。
  4. めんつゆで味つけし、最後にいりごまをふる。
イタドリとちりめんじゃこを炒めて作った混ぜご飯
イタドリとちりめんじゃこを炒めて、ご飯に混ぜる。

酸味があって、思ったより食べやすい

できあがった具をご飯に混ぜて食べると、イタドリのさわやかな酸味と、ちりめんじゃこの香ばしさがよく合います。山菜というとほろ苦さを想像しがちですが、イタドリは苦いというより酸っぱい。梅干しの酸味が好きな人なら、かなり好きな味だと思います。塩漬けや冷凍などで保存して、夏の暑い時期に食べたい味です。

酸味を少しやわらげたい場合は、炒める前にさっと茹でると食べやすくなります。逆にシャキッとした食感と酸味を残したいなら、加熱は短めがよさそうです。

イタドリは地域差ごと観察するとおもしろい

イタドリはメンマ風にしてもおいしいらしく、酸味を活かしたジャムにする例もあります。どこにでも生えていて、いろいろな料理に使える野草なのに、地域によってはほとんど食べられていない。この差は、植物そのものだけでなく、人の暮らしや食文化まで含めた観察対象になります。

Field Noteでは、イタドリの見た目や観察記録をイタドリの図鑑ページにまとめています。似た大型種としてオオイタドリもあるので、採取や観察の前には葉や茎、育つ場所をよく見比べたいところです。
オオイタドリもおなじように調理してみましたが、あまり味に差は感じられませんでした。

食用にする場合は、確実に同定できるものだけを使い、私有地や採取禁止区域では採らないようにしてください。身近な植物ほど、観察と利用の線引きを丁寧にしておきたいです。