庭でクズ(葛)が勢いよく伸びていたので、柔らかい新芽を採集して食べてみた。根から作る葛粉はよく知られているが、若いつるも山菜として食べられる。今回は熱湯で茹で、皮をむいて、マヨネーズや醤油で味わった。
庭を覆うほど繁茂するクズ
クズはマメ科のつる性多年草。大きな3枚の小葉をつけ、つるを伸ばしながら周囲の草木を覆っていく。日本では秋の七草のひとつとして親しまれてきた在来植物だが、国外へ持ち込まれた地域では生態系へ大きな影響を与えている。

クズは、IUCN種の保存委員会の侵入種専門家グループがまとめた「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれている。ただし、これはクズが日本で外来種という意味ではない。北米など、本来の分布域ではない土地で繁殖し、ほかの植物を覆って生育を妨げることが問題になっている。
クズの根から採れるでんぷんは葛粉となり、葛餅や葛切りなどに使われる。しかし、本葛作りは根を砕いてでんぷんをもみ出し、何度も水にさらして乾燥させる大仕事。農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」では、完成まで延べ2〜3か月かかることもあると紹介されている。庭のクズを気軽に食べるなら、まずは新芽のほうがずっと手を出しやすい。
食べられる柔らかい新芽を採る
採集したのは、伸び始めたばかりの柔らかいつる先。指で曲げたときにポキッと無理なく折れるところまでを目安にした。硬くなった部分は繊維が強いため避ける。

採集する場所は、自宅の庭など管理状況が分かるところが安心。除草剤や農薬が使われた場所、交通量の多い道路沿い、犬の散歩道などは避けたい。クズに似た別の植物を採らないよう、葉やつるの特徴も確認する。
クズの新芽の茹で方と下ごしらえ
新芽をよく洗い、たっぷりの熱湯で3〜5分ほど茹でる。太さや柔らかさを見ながら、中心まで火が通るように加熱した。

茹で上がったら冷水に取り、表面の皮をむく。皮には筋があり、そのままだと口に残りやすい。端からつまむと細長くむけるが、本数が多いとなかなか根気のいる作業だった。食べやすい長さに切れば下ごしらえは完了。
クズの新芽を食べた感想
今回はシンプルに、マヨネーズや醤油をつけて食べた。味には目立ったクセがなく、ほんのり豆を思わせる風味がある。青臭さも強くなく、食卓の小さな一品として十分に成立する味だった。

写真でマヨネーズを入れている器は、アルミカップのように見える瀬戸焼の豆皿。使い捨てではなく、洗って何度も使えるところが気に入っている。
クズを食べること自体は難しくない。ただ、茹でたあとに一本ずつ皮をむく作業はかなり面倒だった。庭のクズを少量味わうには面白いが、駆除を兼ねて大量に採り、すべて食べようとする人が少ないのも納得できる。繁茂する植物を厄介者として見るだけでなく、まず少し採って食べてみると、その植物との距離が少し変わる。
参考:Global Invasive Species Database「Pueraria montana var. lobata」/農林水産省「吉野本葛、葛餅」