フクラスズメはヤガ科の大型のガです。成虫は褐色を基調とした落ち着いた模様ですが、幼虫は黒い体に淡黄色の線と赤い斑点が並ぶ、非常に目立つ姿をしています。幼虫はカラムシ、イラクサ、ヤブマオ類などイラクサ科植物の葉を食べます。
幼虫は若いうちは集まって葉を食べ、成長すると分散することがあります。刺激を受けると体を左右に激しく振り、さらに危険が迫ると地面へ落ちることもあります。成虫は樹液や灯火に飛来し、成虫の姿で冬を越します。
- よみ
ふくらすずめ
- 分類
チョウ目(鱗翅目)ヤガ科フクラスズメ属(Arcte coerula)
- 概要
ヤガ科の大型のガ。成虫は褐色を基調とした模様で樹液や灯火に飛来する。幼虫は黒い体に淡黄色の線と赤い斑点が並ぶ派手な姿で、カラムシやイラクサ、ヤブマオ類などのイラクサ科植物を食べる。
- 見分け方
幼虫は大型で、黒い体の背面に淡黄色のはしご状の模様があり、側面に赤い斑点が並ぶ。細長い毛が生え、刺激を受けると上体を左右に激しく振る。体色には個体差がある。成虫は褐色の前翅を持ち、止まると枯れ葉のように見える。
- 似ている種類
派手な模様を持つほかのヤガ科・ヒトリガ科の幼虫に似ることがある。黒い地色、淡黄色のはしご状模様、側面に並ぶ赤い斑点、イラクサ科植物上での発見、体を激しく振る行動を合わせて確認する。
- 観察できる時期
幼虫は春から秋に見られ、特に夏から秋に目につきやすい。成虫は樹液や灯火で観察され、成虫で越冬する。
- 観察できる環境
雑木林、林縁、山道や農道沿い、イラクサ科植物が生える草地、人家周辺の緑地
- 季節ごとの差異
初夏:イラクサ科植物上で幼虫が見られ始める。
夏:幼虫の観察機会が多く、葉の食痕も手掛かりになる。
秋:成長した大型幼虫が見られることがある。
冬:成虫で越冬する。- 注意点
幼虫は派手な毛虫だが、見た目だけで毒の有無を判断しない。刺激すると激しく体を振ったり落下したりするため、手でつかまず静かに観察する。食草となるイラクサ類にも刺激毛があるため、不用意に素手で触れない。