クズは、林縁や草地などで旺盛につるを伸ばすマメ科の多年草です。夏から秋にかけて、甘い香りのある赤紫色の蝶形花を穂状につけます。秋の七草の一つで、根から採るでんぷんは葛粉として利用されてきました。
- よみ
くず
- 分類
マメ科クズ属(Pueraria lobata)
- 概要
大型のつる性多年草。地面や他の植物を覆うようにつるを伸ばし、夏から秋に赤紫色の花を咲かせる。秋の七草の一つで、根のでんぷんや若芽などが利用されてきた。
- 見分け方
葉は長い葉柄の先に3枚の小葉がつく三出複葉で、小葉は大きく、浅く裂けることがある。葉裏には白っぽい毛が多い。花は赤紫色の蝶形花で、長い花序の下側から咲き上がる。茎はつる状に長く伸び、周囲の植物や構造物に絡む。
- 似ている種類
フジ、ヤマフジ、ノアズキなど、つる性で蝶形花をつけるマメ科植物と見間違えることがある。クズは大きな三出複葉、白っぽい葉裏、太く長く伸びるつる、赤紫色の花序を組み合わせて確認する。フジ類は多数の小葉からなる羽状複葉をつける。
- 観察できる時期
葉とつるは春から秋に観察できる。花は地域差があるが、主に7月から9月ごろに目立つ。
- 観察できる環境
日当たりのよい林縁、草地、河川敷、土手、空き地、道路沿い、山道周辺など。つるを広げて他の植物を広く覆うことがある。
- 季節ごとの差異
春:新芽が伸び、つるが成長し始める。
夏:葉が茂り、赤紫色の花序が現れる。
秋:花の後に豆果をつけ、地上部が次第に衰える。
冬:地上部は枯れるが、地下の太い根から翌春に再び芽を出す。- 注意点
若芽や根のでんぷんが食用に利用されるが、写真だけで食用判断をしない。採取する場合は土地所有者の許可、採取禁止区域、農薬散布や道路沿いの汚染を確認し、正しく同定したうえで十分に下処理・加熱する。つるは足に絡みやすく、斜面や藪での観察時は転倒にも注意する。