Species

ハラビロカマキリ

人家周辺、公園、草地、雑木林
金属製の外壁で鎌状の前脚を持ち上げる緑色のハラビロカマキリ
よみ

ハラビロカマキリ

分類

カマキリ目カマキリ科ハラビロカマキリ属(Hierodula patellifera)

概要

ハラビロカマキリは本州、四国、九州、沖縄に分布する中型のカマキリです。オオカマキリなどより前胸が短く、腹部が幅広いため、全体にずんぐりした姿に見えます。緑色の個体が多いものの褐色型もいます。樹上性で、林縁の枝葉や草地、庭木などで昆虫を待ち伏せして捕らえます。

見分け方

体長は雄がおよそ4〜6cm、雌が5〜7cmです。前胸が短く、腹部が幅広いことに加え、成虫の前翅中央付近に白い小斑があるのが大きな特徴です。前脚基節には淡い黄土色の大きめの突起が3個ほど並びます。写真では緑色の幅広い体、短い前胸、前翅の白斑が確認できます。

似ている種類

オオカマキリやチョウセンカマキリは前胸がより細長く、前翅に同様の白斑がありません。外来種のムネアカハラビロカマキリはより大型で細長く、前胸部腹面が赤褐色で、前脚基節の小さな突起が8〜9個並びます。ハラビロカマキリでは前胸部腹面が淡黄褐色で、突起は大きめの3個ほどです。背面写真だけで迷う場合は、無理に触らず腹面や前脚基部を別角度から撮影します。

観察できる時期

幼虫は春から夏、成虫はおもに8月下旬から10月ごろに見られます。冬は枝や幹、人工物に付いた褐色の卵鞘を観察できます。

観察できる環境

平地から低山地の林、林縁、樹上、公園、畑、水田、人家周辺。日当たりのよい枝葉や壁面に現れることがあります。

季節ごとの差異

春:卵鞘から幼虫がふ化し、小さな昆虫を捕らえながら成長します。
初夏:樹木や草の上で幼虫が見られ、脱皮を繰り返します。
梅雨:枝葉の間で昆虫を待ち伏せする幼虫を観察できます。
夏:成虫が現れ始め、林縁や樹上で見つけやすくなります。
秋:成虫の観察適期で、交尾や産卵も行われます。
冬:成虫は姿を消し、木の幹や枝、壁面などに付いた卵鞘で越冬します。

注意点

人に毒はありませんが、捕まえると鎌状の前脚で挟んだり大顎でかんだりすることがあります。むやみに触らず、観察後はその場に残してください。外来のムネアカハラビロカマキリと似るため、分布記録に使う場合は前胸部腹面と前脚基節の突起も撮影し、確実でない個体は専門機関に確認します。

観察記録

人家周辺