Species

モクズガニ

甲殻類
砂をまとい両方のはさみを上げるモクズガニ
よみ

モクズガニ

分類

エビ目モクズガニ科モクズガニ属(Eriocheir japonica)

概要

モクズガニは、はさみに藻くずのような毛が密生する在来のカニです。成長期は河川の淡水域から汽水域で暮らし、成熟すると秋から冬を中心に川を下って河口や海で繁殖します。地域によっては食用にも利用されます。

見分け方

甲幅は成体でおよそ7〜8cmになることがあり、丸みのある四角形の甲と、はさみ脚に密生する柔らかな毛が目立ちます。歩脚は比較的長く、最後の脚も遊泳脚のような幅広い形にはなりません。甲の前側縁にある歯の数や額の形も近縁種を見分ける手掛かりです。

似ている種類

チュウゴクモクズガニは外見がよく似ます。モクズガニは甲の前側縁の歯が3つで、両眼の間の額が鋭いトゲ状ではなく波形に見えることが識別点です。写真だけでは細部を確認しにくいため、由来不明の個体は専門資料と照合してください。

観察できる時期

一年を通して見られますが、成熟した個体が川を下る秋から冬や、稚ガニが河川を遡上する春は移動する姿を観察しやすい時期です。

観察できる環境

河川の中流から下流、河口の汽水域、海岸近くに生息します。石の下や護岸、水際の砂泥底などに身を隠し、成長や繁殖に伴って川と海を行き来します。

季節ごとの差異

春:海や河口で育った稚ガニが川を遡上します。
夏:河川内で成長し、石の下や水際で活動します。
秋:成熟した個体が繁殖のため川を下り始めます。
冬:河口から海域で交尾や産卵が行われます。

注意点

はさみが強いため、生体を扱うときは指を挟まれないよう注意してください。食用にする地域もありますが、モクズガニは肺吸虫の中間宿主になることがあります。生食や加熱不足は避け、中心部まで十分に加熱し、調理器具からの二次汚染にも注意してください。採捕禁止期間や漁具の制限が設けられている地域もあるため、採集前に自治体や漁業協同組合の規則を確認してください。

観察記録

水辺の砂地