- よみ
スナヤツメ
- 分類
ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科カワヤツメ属(Lethenteron spp.。旧来はLethenteron reissneri)
- 概要
スナヤツメは、一生を淡水で過ごす無顎類(円口類)の仲間です。北海道から本州、四国、九州の一部に分布し、全長はおよそ20cmになります。幼生はアンモシーテス幼生と呼ばれ、目が皮膚の下に隠れた状態で泥中に潜り、微細な有機物や珪藻類を食べて成長します。変態後の成体は消化管が退化して餌を取らず、翌春から初夏に産卵して一生を終えます。現在は遺伝的に北方種と南方種に分けて扱われます。
- 見分け方
体はウナギのように細長い円筒形ですが、顎がなく、成体の口は丸い吸盤状です。鱗は目立たず体表にぬめりがあり、目の後ろに7対の丸い鰓孔が一列に並びます。本当の目と鰓孔が並んで「八つの目」に見えることがヤツメウナギの名の由来です。幼生は目が皮膚の下に隠れ、口も吸盤状ではありません。
- 似ている種類
カワヤツメやシベリアヤツメなど、ほかのヤツメウナギ類と似ています。また、現在のスナヤツメ類は北方種と南方種に分けられますが、両者を外部形態だけで確実に区別することは困難です。分布域や体形だけで断定せず、必要な場合は専門的な形態観察や遺伝的解析で確認します。
- 観察できる時期
幼生は一年を通して泥中に生息します。秋に変態した成体は冬を越し、春から初夏に礫底へ集まって産卵します。泥中の幼生を掘り出す観察は生息環境を損なうため避けてください。
- 観察できる環境
水が澄んだ河川の中流から下流域や支流の、流れが緩やかな浅場。幼生が潜れる砂泥底と、落ち葉などの有機物がたまる場所、産卵に適した礫底が連続して残る環境を必要とします。
- 季節ごとの差異
春:越冬した成体が礫底へ移動し、産卵期を迎えます。
初夏:おもに春から初夏に産卵し、成体はその後一生を終えます。
夏:幼生は流れの緩い砂泥底に潜って生活します。
秋:成長した幼生の一部が成体へ変態します。
冬:変態後の成体は餌を取らず、翌春の産卵期まで過ごします。- 注意点
環境省レッドリスト2020では、スナヤツメ北方種・南方種はいずれも絶滅危惧II類(VU)です。水質悪化、河川改修、護岸化、砂泥底や緩流部の消失が大きな脅威になります。観察のために泥や礫を広く掘り返したり、個体を持ち帰ったりせず、網に入った場合も濡らした状態で短時間だけ観察し、速やかに元の場所へ戻してください。地域の条例などで採捕が制限される場合があるため、事前に確認が必要です。
Species
スナヤツメ
魚類
川、沢沿い