- よみ
ウバユリ
- 分類
ユリ目ユリ科ウバユリ属(Cardiocrinum cordatum)
- 概要
ウバユリは、山地や丘陵の湿り気のある林内に生える大型の多年草です。本州、四国、九州に分布し、夏に茎の上部へ緑白色の細長い花を数個つけます。花は横向きに咲き、先端だけが開きます。大きな葉は心形から卵状長楕円形で、ユリ科では珍しく網状の葉脈が目立ちます。開花した株はその後に枯れますが、周囲に娘鱗茎を残すことがあります。
- 見分け方
太い直立茎の中部より下に、長い柄のある大きな葉がまとまってつきます。葉脈は平行ではなく網状です。花は緑白色の筒状で、茎の上部に数個が横向きにつき、花被片の先だけが開きます。花の内側に淡い褐色の斑点が見えることがあります。写真では林床から伸びた太い茎、横向きの緑白色の筒状花、幅広い葉が確認できます。
- 似ている種類
オオウバユリに似ます。オオウバユリは北海道から本州中部以北を中心に分布し、全体がより大型で、多数の花をつける傾向があります。地域によって分布が重なる場所もあるため、草丈、花数、葉や果実の形、観察地域を合わせて判断します。ヤマユリなど一般的なユリ属の花は大きく開き、葉は茎に多数つくため、筒状花のウバユリとは見分けやすいです。
- 観察できる時期
葉は春から展開し、花はおもに7月から8月に見られます。秋には上向きの果実が熟し、冬には地上部が枯れます。
- 観察できる環境
山地や丘陵の、湿り気があり半日陰になる林内や林縁。沢沿いや落葉の積もる林床などで見られます。
- 季節ごとの差異
春:大きな葉を広げ、茎を伸ばします。
初夏:花茎が高く伸び、つぼみが育ちます。
夏:緑白色の筒状花が横向きに咲きます。
秋:上向きの果実が熟し、多数の翼のある種子を散らします。
冬:地上部は枯れ、地下の鱗茎や種子で休眠します。- 注意点
観察のために鱗茎を掘り取ったり、開花株を折ったりしないでください。林床を踏み荒らすと若い株や実生を傷めるため、道から外れすぎずに観察します。似た植物との取り違えがあるため、写真だけを根拠に食用・薬用と判断しないでください。
Species
ウバユリ
花、草
沢沿い、雑木林